車いすの旅人、サルサを踊る

よかったら、シェアして下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

車いすの旅人が行く! 第1回

 毎夏、福岡で「イスラ・デ・サルサ」という日本最大のサルサ・イベントがあります。国内外のミュージシャンやダンサーが集まり、国籍も、人種も、関係なく皆で踊ろうというもの。能古島という、福岡から船で10分の小さな島で開催されていたときに参加しました。

サルサを楽しむ

サルサでの1コマ(一番左が筆者)

 サルサとは、カリブ海発祥のラテン音楽。男女が手を取り合い、リズムに合わせてセクシーに踊ります。しかしながら、照れや恥ずかしさがあって、踊るのに勇気がいるもの。更に、障碍があって、車いすに乗ってとなると、自分とは違う世界と思ってしまうかもしれません。

 車いすの男性、通称ホセは、筋ジストロフィーの四肢麻痺ですが、踊ることが大好き。サルサの踊り方も車いすなりに工夫して、しなやかな手の動きで女性をダンスで酔わせます。心から踊りを楽しんでいる姿に、皆が魅了されます。楽しむことに障碍は関係ありません。
 
 踊りの師匠ホセに教わり、私もサルサを踊るようになりました。そして、ホセと一緒に、「イスラ・デ・サルサ」に参加しました。会場のビーチへのアクセスであるバスは車いすで乗るのは難しいため、自家用車で向かいます。主催者にお願いをして、駐車許可をもらいました。

 車を降りてビーチに行けば、そこは別世界。日本の中にラテンが誕生。やしの実が並ぶ砂浜には、特製ステージがあります。後ろは海のため、踊り疲れたら、海に飛び込む人もいます。ビキニのまま踊る人も多く、お酒や食事も売っており、まさにパラダイス。島という環境。閉ざされた空間。都会の福岡からたった10分で別世界です。

 ステージでは、プロの歌手やバンドに混じって、アマチュアのサルサチームも踊ります。衣装を揃え、振り付けを考え、ときにはセクシーに。朝から夕方まで延々とステージは続きます。

 サルサは、誘えば断らないことがルール。優しい踊り好きな人々が集まっています。ホセはサルサとなると、きれいなお姉さんをみつけては踊ります。普段はそんなに積極的じゃないのに、音楽がかかると別人格になるようです。私も負けておれません。何人かの女性と踊ってもらいました。踊りが得意でなくても、音楽を聞くだけで、ビーチの風を感じるだけで、幸せになります。

 Borderless Music & Borderless Minds (音楽に国境はない。心に国境はない)というテーマ。障碍もボーダレス。誰もがサルサを楽しめるイベントでした。

参考:イスラ・デ・サルサ

車いすの旅人 木島英登      
1973年、大阪府生まれ。世界99ヶ国を訪問。
広告会社を経て、バリアフリー研究所を設立。
講演・執筆・コンサルなどを行う。

スポンサードリンク

よかったら、シェアして下さい。

フォローする