原価を知らずして工賃アップはならず

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工賃アップへの道 第3回 ~製造業タイプの事業への原価計算の導入~

 「工賃アップへの道 第2回」では授産施設の事業分類とその特徴について見てきました。どれかのタイプに明確に分類される事業所は少ないですが、事業がどのように分類できるかの雰囲気はつかめてもらえたかと思います。

 今回は、その中でも製造業タイプに属する事業について、特に、製品の売価設定や改善策を取る時の基礎となる資料を作る為の「原価計算」という考え方を見ていきましょう。

原価計算を導入しよう

知れば役立つ原価計算Photo: opencage

知れば役立つ原価計算

 そもそも原価計算とはなんでしょうか。言葉は聞いた事があっても、実際に活用した事の無い方は多いかもしれません。原価計算とは、自分たちの製品をいくらで(何円かけて)生産する事ができたかを計算する為の計算手続きの事、文字通り原価を計算する為の考え方です。

 予め原価を知っておくことにはいくつものメリットがあります。

  • 製品の売値をどれくらいにすれば良いかが把握できる
  • どれくらいの設備投資までなら回収できるか把握できる
  • 職員の具体的な目標を設定する事ができる
  • 目標と実績を比較することで、とるべき改善策が見えやすくなる
  • 利用者や利用者の家族へ工賃算出の根拠を説明しやすくなる

 原価計算は毎日しなくてはならないものでは無く、今ある製品の価格の見直しや、年度の初めにやっておけば良いものです。考え方だけ知っていれば十分活用ができますので、なにやら難しそうと二の足を踏まれる方にも使ってもらえるよう詳細部分は省いてご紹介します。

原価計算の考え方

 原価計算をするに当たっては基礎となる資料が必要です。原価計算では、製品の原価を「材料費」、「労務費」、「経費」下の3つの分類に沿って集計します。

原価計算の分類

原価計算の分類(クリックで拡大)

 さらにそれぞれ直接費と間接費に分類することができます。

直接費とは、特定の製品の生産に消費したことが明らかなもので、間接費とは、それが明らかではなく複数の製品の生産に共通して消費されたものをいいます。

たとえば、原材料は直接材料費ですが、水道代等は間接材料費です。複数の物を生産している場合には間接費の計算にひと手間かかりますが、加工費率という考え方を取り入れ計算するのが良く用いられる手法です。加工費率の計算方法は次の通りです。

加工率=年間に発生予定の間接労務費および間接材料・間接経費の合計÷年間予定作業時間(*従業員数×1日の作業時間×年間の作業日数)

 原価計算に関する書籍はたくさんありますが、明確に従わなくてはいけない法律や規則はありません。あくまで上記の事項は参考としたうえで、自分たちが使いやすい様に作り上げていけば良いのです。

 それでは、原価の考え方に続いて次回は損益分岐点の考え方に進みます。

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