損益分岐点は目標設定の道しるべ
工賃アップへの道 第4回 ~損益分岐点を考慮し工賃アップ~
「工賃アップへの道 第3回」では原価について考えましたが、原価を知る事ができれば次は具体的な利益の目標設定ができるようになります。授産施設で「利益」というと、なにかそぐわぬ言葉のようにも聞こえますが、利用者に支払う工賃の原資となるのがこの「利益」ですので、施設の経営者はこれを少しでも増やすように努力しています。
損益分岐点とは
損益分岐点とは、利益が出るか、それとも損失が出るかの分かれ目となる製品数量や売上高のことです。つまり、利益も損失もでず、利益がゼロとなる売上高とも言えます。損益分岐点よりも売上が上がれば儲かり、下がれば損をします。一般的に、損益分岐点は低ければ低いほど利益が出しやすく安定した経営がしやすくなります。
これはある事業が儲かっているのか、損をしているのか、あとどれくらい売上を上げれば利益が出るようになるのかを把握する為の重要な判断基準になります。
損益分岐点の考え方
損益分岐点を求める為には、費用を固定費と変動費に分類しなおす必要があります。
変動費は、材料費、など売上高や販売数の増減によって増減する費用のことです。一方、固定費は、商品が1つも売れなくても発生する費用で、人件費、賃貸料,、リース料などがあてはまります。 変動費、固定費、売上高が定まれば、損益分岐点は以下の計算で産出する事ができます。
損益分岐点 = 固定費 ÷( 1 -(変動費 ÷ 売上高))
前述の通り損益分岐点は低ければ低いほど利益が出しやすい体質といえ、その低減方法には以下の三つが挙げられます。
- 売価の引き上げ
- 変動費の低減
- 固定費の低減
工賃アップの為に
損益分岐点が分かれば、そこを目指して、もしくは利益をさらに大きくする為の活動に移りましょう。一般的に製造業では変動費は低く、固定費が高くなるという体質です。よって固定費に原価低減の余地が潜んでいる場合が多く、最初に手をつけるとすれば固定費を見直すのが効率的です。製品の構造を簡単にし、部品点数や加工工程を少なくしたり、不良低減のための新しい方法や作業方法の見直しで歩留を向上させたり、新しい道具を工夫、作業方法の変更で製造工数を減らすといった対策が、固定費である人件費を有効活用する事につながりますので特に効果的です。
また、いったん引き下げられた原価も、作業への慣れなどから無駄が発生してしまう事もあります。日々の作業管理を併せてしっかりすることで効率が低下していないか見極めることも重要なポイントです。
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