障碍者雇用の基礎知識シリーズ 導入編 第2回

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 前回のエントリー(障碍者雇用の基礎知識シリーズ 導入編 第1回)では法律で決まっている障碍者の法定雇用率について、法律を作った国の立場から触れました。

 法定雇用率が法律で定められてはいるものの、現状に目を向けると、どの企業も目標を達成できているわけではありません。法定雇用率とその達成状況を企業の立場から見てみると、そのジレンマが見えてきます。

 まず、法定雇用率の集計は毎年6月1日付で行われ、11月頃に厚生労働省から結果が発表されます。今年(平成21年6月)の結果はまだ公表されていませんので、前年の結果をみてみると次のようになっています。

全体の実雇用率は1.59%(対前年比で0.04ポイント上昇)

法定雇用率を達成している企業の割合は 44.9%(対前年比で1.1 ポイント上昇)

ただし、企業規模別で見ると中小企業の実雇用率は引き続き低い水準

特に100~299人規模の企業においては、実雇用率1.33%と最も低い水準

厚生労働省発表資料より

 雇用率、達成企業の割合のいずれも前年より上昇していますが、それでも規定の水準には達していません。雇用を義務付けられた企業の多くが障碍者を雇用しているものの目標まではあと一歩という状況に読み取れます。

 そのあと一歩を踏み出す時に企業を悩ませるのがコストの問題です。例として障碍者を5人新規に雇用する場合を考えると、企業側には定着までの初期費用(採用・教育等)として約500万円、サポーターの人件費、障碍者本人の人件費、設備の費用等のランニング費用として年間約1,500万円の追加コストが発生します。

 一方で、雇用率が未達成(この場合、5人足りない)の場合には、月間25万円(5万円×5人)、年間で合計300万円の納付金が発生します。つまり、「障碍者を雇うよりも、障碍者を雇わずに、納付金を払った方がコスト小さくなる」のです。

なんとかしたいコストの壁

なんとかしたいコストの壁(クリックして拡大)

 厳密に考えると障碍者を雇わない事に対する社会的損失(世間からの評判、法律を守っていないことに対する信用問題等の目に見えないもの)もありますが、昨年の金融危機から続いている100年に一度と言われる不況の中、企業としては、やはり実際に目の前で動くお金の方に目が行きがちになってしまいます。

 もちろん、労働者が増える分収入も増やすことができます。企業においては障碍者個々の適性に合った業務に従事させることで生産性を上げ、ジレンマを解消していく事になります。

 「個々の適性に合った業務に従事させる」為に企業が活用している制度については長くなりますのでまた次のエントリーで見ていく事にしましょう。

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