脳のシワや大きさ・重さの違いは「知能」ではなく「能力」

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イルカの脳は人間よりシワが多い?

「賢い人は脳のシワが多い」などと昔、聞いたことがありますが、その真相やいかに?

 確かに私たち人間で見てみると、胎児期はシワがなく、脳の表面はつるりとしているといいます。ところが、脳には神経細胞が集まり、脳が発達することでその細胞も増えていきます。そのとき、脳の表面だけでは細胞が増える余裕がなくなり、増えた分の面積が折りたたまれてシワになるのです。このシワのことを学術的には「脳溝(のうこう)」と呼んでいます。
では、本当に脳のシワが多いと頭が良いのか?

 結論として、「脳のシワが多い=賢い」とは単純にいえません。ならば、どうして「賢い人は脳のシワが多い」という説が広まったのでしょう???
 シワという点だけをみると、イルカの脳は人間よりもシワが多いというのは有名な話。そのため、イルカは人間と同等の知能を持っていると一時話題になったのを覚えている方もいらっしゃるはず。では、イルカは本当に人間よりも賢いのか?(※誤解のなきよう補足させていただきますが、決して人間が他の生き物よりも賢いう大前提でいっているのではありませんので、こんな表現をお許し下さいませ。)

 イルカの脳は、確かに人間よりもシワが多いといわれていますが、大脳皮質の厚さで比べてみると、人間よりも極端に薄く、神経細胞の密度も小さいのです。また、イルカやクジラもそうですが、神経細胞の数が少ないだけでなく、その並び方も人間に比べるとかなり不規則です。人間の神経細胞は、実に整然とした層構造をしていますので、その違いは明らか・・・。
それなら、シワではなく大きさが影響しているの?という疑問が浮かんできます。
では、脳の大きさ・重さで見てみましょう!

人間、クジラ、ライオン、ネズミなどの脳の重さを、体重に対する割合(脳化指数)で比較してみます。

・クジラ・・・1/1500~1/1000
・ライオン・・・1/550
・犬・・・1/300
・サル・・・1/100
・人間・・・1/40
・スズメ・・・1/34
・ネズミ・・・1/28

いかがですか?体重比だけで見てしまうと、クジラなどは人間に比べて極端に脳が小さく、逆にスズメはほぼ人間と同じということになります。同じ鳥類でも悪賢いといわれるカラスは、鳥類の中でかなり脳が大きく発達しているといいます。鳥類の場合、脳幹の中脳は人間に比べて特に発達していますが、中脳は空を飛ぶときのバランス感覚を維持する役割をしているためなのです。

 ということで、脳のシワの数や大きさ・重さでは賢いかどうかは判断できないということになります。が、ひとついえることとして「能力には違いがある」ということなのでは?
 それは、空を飛ぶために鳥類は人間よりも中脳が発達していることでもわかります。また、その逆を考えてみると、サルは電話番号や人の名前などを覚える短期記憶能力が弱いといわれています。でも、そもそもサルが電話番号や人の名前などを覚える必要がないのですから、短期記憶能力が弱くとも生きていくのに支障はないはず。
そう考えてみると、人間以外の生き物は、みな生きていくのに必要な能力に長けているということなのでは?人間だって生きていくだけなら、今のような近代文化には至ってないはず。私たちは生きることにプラスして、生きていることを積極的に楽しむためにの「生活」をするため、鳥のように空を飛ぶ能力はなくとも、飛行機など空を飛ぶ方法をあみだしたわけです。

 そう考えれば、一見、人間は高度な生き物のように思えるのですが、こうした技術進歩の影には飛行機は墜落やハイジャックという危険性もあります。でも、考えてみれば鳥だって飛んでいるときに食べられてしまう危険性もあるのですから、その辺はみな同じってことなのでしょうか???

 いずれにせよ、人間は「生きる+生活」をするため、何かを生み出す能力を持っているということ。そして、だからこそ、その生み出した物が環境にどれほどの負荷を与えてしまうかも同時に考えていかなければならないはずであり、課題なのでしょうね。

参考サイト
「右脳と左脳と鍛える開発トレーニング」
http://www.right-brain.biz/

川端真弓。フリーライター/薬膳アドバイザー。埼玉県所沢市在住。1986年に「無理なく無駄なく簡単エコロジー」を合言葉に、子育て中の主婦でも身近にできる環境問題を考えるサークルを発足。以来、無農薬栽培など風土に根差した生き方を模索中。現在は、写真と詞をコラボした新しい感覚のアート「PHOTOEMほちょう調」を広める活動にも携わっている。WEBサイトはこちら

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