使い道いろいろ『ものしりトーク』

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 さまざまな障碍をフォローし、日々の暮らしを快適にするための福祉アイテムが日夜開発されています。それらひとつひとつには、より使い勝手がよく、障碍者の生活にスムーズに浸透するよう、開発者の努力がつまっています。多くの場合、開発者自身が障碍を持たないことが多いため、使用者の感想をじっくりと聞き込んで試作を重ね、最新技術を駆使しながら、新しいデザインの提案を繰り返す。それらが呼応し、両者が想像もしていなかった全く新しいアイテムや使用方法が生まれていく・・・障碍サポートアイテムの開発には多くの逸話が存在します。

ものしりトーク

コレは使える

 今回ご紹介するのは、視覚障碍をサポートする『ものしりトーク』。
テレビのリモコンのようなリーダ(読み取り機)を、ICチップが内蔵された小さなタグ(目印札)に向け、リーダの「読む」というボタンを押す。すると、あらかじめ録音された説明が聞こえてくる、松下産業情報機器株式会社が開発した音声ICタグレコーダです。

 日常生活の中で、視覚障碍者の方は身近な物を手に取り、触覚や音、匂いなどでそれが何であるかを識別します。しかし、中には識別の難しいものも多いのです。例えば、缶詰や薬など・・・。「ホタテの缶詰を開けたつもりが、実はミートソースだった。しかたがないのでメニューを変更した」「肉を凍らせると、牛なのか豚なのか鶏なのか判別できなくなった」。通常はそうした混乱を避けるため、巻きつけた輪ゴムの本数や点字メモで区別することがあるのですが限界があります。ましてや薬などでは、万一のことを考えると非常に危険です。

 手にとったものがいったい何なのか、音声で教えてくれる機器があったらどうだろう・・・。『ものしりトーク」はそんな発想から生まれた福祉機器です。電波によって非接触で信号をやり取りし、個別の情報を識別・管理するRF(ラジオ・フリーケンシー)ID技術を応用した構造を取り入れました。

 使い方はとにかく簡単。音声を登録したい時は対象物のタグに向かって「読む」ボタンを押し、タグがあらかじめ持っている識別番号を読み取らせます。そして「録音」ボタンを押しながら、リーダ本体に向かって覚えこませたい内容を話せば録音できます。

 タグに登録された情報を読み取りたいときは、3~4cm程度の距離にリーダを近づけて、「読む」ボタンを押すだけ。リーダがタグの識別番号を認識し、登録されていた音声を再生します。1つのタグに対して、最大3分間録音できるため、対象物の名前以外にも様々な情報を残しておくことができます(平均10秒の長さで録音した場合、約300個分のタグに登録可能)。

 例えば、「この薬は、朝晩食後に飲みます。○○先生から、運動もするように言われましたね」と入れておくと、薬をただ飲むだけでなく、先生からのアドバイスも思い出せる・・・。ただ識別するだけでない付加価値によって、新しい使い方も生まれています。

 「障碍はある日突然訪れるもの。健康な人でも、糖尿病にかかれば早くて3ヶ月で中途失明してしまう可能性がある・・・」と開発者はいいます。ですから、視覚障碍者には点字があると安易に考えることはできません。点字が自由に読みこなせるのは、時間も知識も要します。使い方をより簡単に、誰もが自由にすぐに使えることが、視覚障碍者ツールには必須事項だといわれています。

参考
「パナソニック・イズム」ものしりトーク

ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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