盲導犬が最後の時を過ごす『老犬ホーム』

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 視覚障碍者の目となり心の支えである盲導犬。
 その盲導犬が老いて老犬となったとき、穏やかな日々を用意し、いままでの労をねぎらいたい・・・。心からの「ありがとう」の思いを込めた最後の贈り物。それが『老犬ホーム』です。

 公益財団法人 北海道盲導犬協会の『老犬ホーム』は、盲導犬としての役目を終えた犬たちに、「ゆっくり楽しんで過ごして欲しい」というユーザーのねぎらいの想いから、1978年、世界の盲導犬施設の中でも初めての試みとして作られました。

老犬Photo by norio.nakayama

お疲れさまです

 判断力の低下や体力の衰えなどで、盲導犬は通常10~12歳で引退します。元気な犬は一般家庭に引き取られますが、体力的に厳しい場合は、『老犬ホーム』に預けられます。

 老犬達は、この『老犬ホーム』で仲間と遊んだり自由に歩いたり、また、日の当たる場所でのんびり昼寝をしたりしながら1日を過ごします。

 ホームは段差のないバリアフリーで、エレベーターも完備。1階は犬用の居住スペースとリビング、2階はひなたぼっこができる広場があり、お天気の良い日は絶好の空間です。

 老犬のお世話は協会職員や多くのボランティアにより24時間体制で行い、1頭1頭の性格や体調などに合わせ、その犬にとってよりよい生活環境を作るように気配りをしています。

 午前6時半、朝ごはんが終わってしばらくするとボランティアによる顔やからだ拭きから始まります。そして、日課のお散歩。みんながわれ先にと一斉に順番をアピールするものの、大体いつも決まった順番で1頭ずつ散歩に行きます。ここで心がけていることはそれぞれの体力やその日の体調に合わせコースと距離を決めることです。散歩から帰ってきた犬たちは、水を飲んで喉を潤し、満足とばかりにため息をついて一休みします。

 お昼には、大好きなリンゴのおやつがあたり、これもわれ先にとお行儀良くして待っています。おやつが終わるとトイレタイム。 老犬ホームには移動が負担にならないように排泄場所が確保されています。このような配慮も老犬たちにはとても大切です。

 午後になると、ボランティアが手入れをしてくれたり、犬舎屋上にある老犬ひろばで遊んだりします。そして、『老犬ホーム』に戻るとまたそれぞれのお気に入りの場所で夕ごはんまでお昼寝。『老犬ホーム』に1日でもっとも穏やかな時間が流れます。そうこうしているうちに、待ちに待った夕ごはん。ごはんを食べ終わると1日が終わったようなもの。ちょっと早めに就寝して、また楽しい明日のために、ゆっくり休みます。

 犬も人間と同じで、引退したばかりの頃は脱力感に襲われ、仕事をしていたときのリズムを崩さないことが大切だといいます。散歩も交差点や段差で止まらせ、足の悪い犬は台車に乗せるなどしてケア。ユーザーと別れたことにより寂しい思いをさせないように、そして、人とのふれあいを絶やさないように努めています。

 盲導犬として視覚障碍者の暮らしを支え続けた日々は、
飼い主との温かな心の通い合いがあったにしろ、
さぞや緊張した日々を過ごしていたに違いありません。

 どうかおだやかに、くつろぎの日々を・・・。

公益財団法人『北海道盲導犬協会』

 ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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