全盲の弁護士―――竹下義樹氏

よかったら、シェアして下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 視覚障碍者の文化向上に貢献した方に贈られる『本間一夫文化賞』受賞された、竹下義樹弁護士。健常者であっても難関とされる司法試験に臨み、点字受験者で初めて司法試験に合格されました。それは司法試験に挑戦しはじめて、9回目、30歳のことでした。

 人と話をするのが好きだから、そして悩んでいる方の力になりたい。高校三年のとき、弁護士が活躍するテレビドラマを聴いて、弁護士への憧れを持ったといいます。しかし、弁護士への道は平たんではありませんでした。2年浪人して大学へ進学し、それから司法試験への挑戦がはじまるわけですが、まずは「法務省」への談判からスタートするわけです。司法試験の問題を点字で作成してほしいと・・・。

 法務省は、「はい、わかった」とすぐに言うはずはありません。何度も問い合わせを重ね、気持ちを伝えていきます。「毎日が、チャレンジの連続でした」と話す、竹下さん。その姿勢こそが、困った人々を法の力で守っていく弁護士の姿そのものだったのではないでしょうか。

 司法試験の受験勉強は、ボランティアと点訳した200冊の参考書と、条文を吹き込んだ1,000本のテープで勉強を重ねた、非常に道のりの長い、そして集中力を要するものでした。その難関を乗り越え、まさに視覚障碍者のフロンティアとして司法試験に合格。後輩への道を開くのです。

 竹下さんは、もともとは視力に障碍はありませんでした。しかし、中学3年生のとき、相撲部の練習の際に失明します。その後、視覚障碍者としてどのような道を歩めばいいか、自問自答の日々が続きました。書籍『全盲の弁護士』が出版されて多くの方々に読まれるようになり、事故や病気などで突然視力を失ってしまった人々の気持ちを汲み取り、どんなにか大きな支え・力になったことでしょう。

 弁護士として、貧困問題を中心に生活保護受給に関する問題を多く手がけ、貧困が人々の夢を奪うことを世の中に伝え、法の力で守っていく活動を続けています。

 竹下さんが多くの方に感動を与えるのは、ただ弁護士をしているからというわけではありません。「夢の実現」にこだわり、厳冬期の冬山やフルマラソンなど、健常者でも大変なさまざまな困難に自ら立ち向かい、成功させてきたのです。その姿勢が評価され、2011年、視覚障碍者の文化向上に貢献した方々をたたえる『本間一夫文化賞』の受賞となりました。

 竹下さんは、自分にはやるべきことがまだまだある・・・といいます。司法試験はその後、後輩が3人受験に成功しました。竹下さんの背中を見て、人生の夢に挑戦し、実現していくことの大切さを教えてもらうのは視覚障碍者だけではありません。健常者はもちろん、すべての人々がその努力と前向きな姿勢に感動し、大きな勇気をもらっています。

※参考資料:全盲の弁護士
http://www.amazon.co.jp/%E5%85%A8%E7%9B%B2%E3%81%AE%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB-%E7%AB%B9%E4%B8%8B%E7%BE%A9%E6%A8%B9-%E5%B0%8F%E6%9E%97-%E7%85%A7%E5%B9%B8/dp/4000236571

ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

スポンサードリンク

よかったら、シェアして下さい。

フォローする