ギャラリーTOM

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さわれる街の美術館『ギャラリーTOM』

毎日の生活に新しい風を入れたいと感じたとき、新しい趣味をはじめてみようと考える方は少なくありません。

趣味をはじめるとなると、道具を準備したり、教えていただく先生を探したりと、時間や手間を要します。

そこまですることなく、とにかく何か新しいことに取り組んでみたいと考えたとき、美術館へ足を運んでみるのはいかがでしょうか。

学生の頃、数学や英語といった授業の合間に存在する美術の時間に、いつもと違った感情が生まれたような、そんな気分の変化を感じるかと思います。

絵にしろ、彫刻にしろ、静かな美術館でアートに触れる時間はかけがえのないものです。

視覚に障碍をお持ちの方にも、同じようにアートの素晴らしさを知ってもらいたい・・・そうした想いでつくられたのが、『ギャラリーTOM』です。

『ギャラリーTOM』は、村山亜土さん、治江さんご夫妻が、視覚に障碍をお持ちだった長男の錬さんが発した「ぼくたち盲人も、ロダンを見る権利がある」という言葉につき動かされ、1984年に「視覚障碍者のための手で見るギャラリー」として開設した私設美術館です。

来館された方々に「都会の縁側」として、親しんでいただきたいと願いながら、さまざまな展示に取り組んでいます。

美術館やギャラリーは、静かに鑑賞するべきところなのでしょうが、『ギャラリーTOM』のスタッフは、いらしたお客様とお話しながら、アートの素晴らしさを伝えてくださいます。

『TOM』という名称は、亜土さんのお父様である、村山知義さんのサインから採られています。知義さんは、大正時代から、新興美術運動の旗手として活躍し、さらに、小説、劇作、演出、映画制作など、あらゆる表現分野にたずさわられた方です。

art museum_kevin dooley

Photo by kevin dooley

特に、 妻である籌子さんの童話に添えた挿絵や、子どもたちのための絵雑誌に寄せた童画などは、いまでも人々の心に深い印象を与えています。

『ギャラリーTOM』のロゴマークも、知義さんのサインをもとに、河野鷹思さんがデザインされました。

ギャラリーの建物の設計は、内藤廣さんによるもので、鉄筋コンクリートの上に、特徴のある鉄骨の梁を、斜めに掛け渡し、「先鋭さや怒りを表現」されているそうです。

鉄製の門扉の取っ手は原正樹さん、木製の入り口のドアノブは西大由さん、テラスの床のアレンジは脇田愛次郎さんなど、素晴らしい作家さんの作品が散りばめられています。

さまざまな展覧会をはじめ、メインスペースの独特の空間を利用して、魅力的なアーティストを招き、コンサートなども開催しています。

1984年の開館記念コンサートでは、ジュリエット・グレコさんを招いて、全国の盲学校生徒たちと楽しいひとときを送られました。

『手で見る美術・アメリカの旅(1987年3月~4月)』 では、「全国盲学校生徒作品展」の受賞者の生徒さんと、アメリカ・フィラデルフィア美術館、イサム・ノグチ美術館などを表敬訪問し、交流を深めています。

視覚に紹介をお持ちの方や子どもたちが、『ギャラリーTOM』へ来る途中で、交通事故に遭われないように、柳宗理氏が、『ギャラリーTOM』の開館に際して、道祖神をデザインされ、来館される方たちを見守っていました。

この道祖神は、視覚に障碍をお持ちの方のためのアートスペースを併設している『川越市立美術館』の開館のお祝いに寄贈されています。

アートを楽しむために、視覚がどうしても必要というわけではありません。

多くの方々のサポートと気持ちから、『ギャラリーTOM』のような素晴らしい場所が生まれ、愛されています。

※参考資料:

『ギャラリーTOM』

http://www.gallerytom.co.jp/index.html

〒150-0046 東京都渋谷区松涛2-11-1

電話: 03- 3467-8102 開館:10:30-18:00  休館日:月曜

ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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