点字の歴史と世界

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『点字の歴史と世界』

 視覚に障碍をお持ちの方々の文字として、日々の暮らしを、仕事を、余暇をサポートしているのが点字です。

 点字書籍をはじめ、点字名刺、道路標識など、社会の中でも、日常の暮らしの中でも、点字は欠かせない存在になっています。

 そんな点字以前の文字は、ヨーロッパにおける、初期の盲人用文字として、その時代の社会で用いられていた一般の文字をもとに、触覚で認知できるように、紙や木を浮き彫りにして示した線文字が中心でした。

 例えば、「タベラ」=木、象牙、金属などの板に文字を浮き彫りにしたものや、「蝋板」=蝋を引いた板の上に文字を書き、触読するものなどが一般的でした。

 ヨーロッパ人によって収奪される以前の南米大陸のアンデスに住む人々は、ひもを結んでその結び方で結び文字を表していました。

 ペルーでは、コミュニケーションや記録に用いていた『結び文字』で、国の歴史が記録されていますが、17世紀にヨーロッパにわたり、盲人の教育用に用いられるようになったといわれています。

 また、1784年頃のパリでは、17歳の盲少年の教育から始まり、パリに世界最初の盲学校を開設(組織的盲教育の創始)したアユイ氏により、『浮き出し文字』が考案されました。

 その後、点字が発明されるまでに、フランス軍人シャルル・バルビエが、暗号用に作った点を組み合わせた記号を、盲人用の文字にしたといわれています。(12点、点字)

Braille_adactio

Photo by adactio

 1825年には、パリ訓盲院の生徒ルイ・ブライユ(1809-1852)は、バルビエの点字を基に6点式の点字を考案して、アルファベットや数字を完成します。

 1854年、フランスが国として、ルイ・ブライユの点字を正式に認めるようになりました。

 イギリスでは、ルイ・ブライユの点字体系を採用し、英語の特質に合わせながら、点字を発展さていきます。

 1830年代には、各種の線字(line letters)の激しい対立や、争奪(線字戦争(Battle of lines))があり、1860年代になり、点字と線字を比較研究して優位を確かめた結果、点字が採用されることになりました。

 イギリス内外盲人教会を設立した、アーミーテージ氏の貢献が大きかったといわれています。

 アメリカでは、1860年ごろ、セントルイスのミズーリ盲学校(Missouri School for the Blind)がアメリカで初めて、点字を導入します。

 当時、アメリカでは各種の凸字が用いられており、そのうち、パーキンズ盲学校で考案されたボストン・タイプが最も広く普及していました。

 1868年には、ニューヨーク盲学校長ウエイト氏(William Bell Wait)が、両者の比較研究を進め、点字が最も優秀であることを確認し、さらに一歩進めてニューヨーク・ポイント(New York Point)を発明します。

 アメリカの中心的存在であったパーキンス盲学校も、修正点字(Modified Braille) の開発に取り組みます。

 1892年に、ホール氏(FrankH.Han)による、『点字タイプライター』が発明され、ブライユ点字の優位性が主張されることとなり、ブライユ点字構成原理が勝利し、ニューヨーク・ポイントの敗北となります。

 1915年、アメリカ側は、諸種の材料に基づいて、イギリス点字に帰一、その後、イギリスの2級点字を採用していくこととなります。

 日本では、1876(明治9)年に、京都府盲唖院(古河太四郎)が、視覚に障碍をお持ちの方を対象に開校し、1878年に盲人の教育を始める日本最初の特殊学校がはじまります。

 学習文字は、凸字 (線字)でした。

 1879年には、目賀田種太郎氏(めかた・たねたろう)が、パーキンズ盲学校の見聞記の中で点字を紹介し、特に、東京においては、楽書会訓盲院が開設されます。

 使用する多数の教科書などを製作しましたが、いずれも普通の漢字、かなを紙面に凸書したもので、京都および東京における2盲学校には、開校後10年間、点字に関する教具はありませんでした。

 その後、手島精一氏(てじま・せいいち)は、ロンドンの教育博覧会から点字の書物や器具を持ち帰り博物館に陳列し、小西信八氏(こにし・のぶはち)は、訓盲唖院(東京盲唖学校)で日本語をローマ字式点字を使い生徒に教えはじめます。

 1890年、東京盲唖学校教員、石川倉次氏(いしかわ・くらじ 1859-1944)の考案した日本語の点字が、東京盲唖学校内の点字選定会で採用され、現在、11月1日を「日本点字制定の日」としています。

 『拗音点字』や『点字数学記号』の完成とともに、週刊「点字大阪毎日」を大阪毎日新聞社が創刊、日本で初めて大学の点字受験を認める(同志壮大学)など、点字は急速に社会に浸透していきます。

 司法試験にも点字受験を認められ、点字は、文字の一部として、広く社会において、有効に使われています。

 世界がたどった点字の歴史を、地図を見ながら、さらに学んでみてはいかがでしょうか。

※参考資料:
独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所
http://www.nise.go.jp/portal/index.html

ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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