高等教育をさらに高めるために『障碍学生支援』

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高等教育をさらに高めるために『障碍学生支援』

東京大学 伊藤国際学術研究センターにて、『高等教育機関における障碍学生支援に関する全国協議会』が開催されました。

この大会は、主に、これまで障碍をお持ちになる学生の支援などに携わる大学教員が呼びかけ人となり、全国各地42の国公立・私立大学が発起校となって、呼びかけ人会の主催で、文部科学省の後援を得て開催されることになりました。

高等教育における障碍学生支援は、国内外での障碍学生支援を巡る諸情勢や、合理的配慮に関連して、「配慮の平等性」の問題や、障碍をお持ちの学生を積極的に受け入れるなど、合理的配慮を提供することが、大学など高等教育機関に求められています。

学問と教育を触発し発展させる絶好の機会として、障碍学生支援のための協議会設立に向け、多様性を尊重しあう共生社会や高等教育と障碍に関して話し合われました。

また、アメリカにおける障碍学生支援関係者の代表的な全国組織として、Association on Higher Education and Disability(AHEAD)についても紹介されました。

『AHEAD』は、障碍をお持ちの方の高等教育への参加を実現するため、障碍をお持ちの学生へのサービスに関わる専門家や制度作りに関わる方、研究者などから構成される組織です。

主たる活動は研修や情報交換であり、政府への施策提言等、障碍者権利条約への参加についてアメリカ政府に対し求めるなどの活動を行っています。

障碍をお持ちの学生の受け入れを大学に対して義務づける動きに呼応し、大学関係者を中心に情報交換の場として1977年に発足した『AHEAD』は、現在、会員数は2,600名以上に上っています。

年次大会のほか、各種ワークショップや支援室運営に関するマネジメント講座や大会前後の各種カンファレンス、会員相互の実践発表、情報共有の他に、会報やジャーナルの発行、障碍学生支援に係わるガイドライン作成、企業の協賛による支援機器に関するセミナーなど幅広い活動を行っています。

Photo by jjorogen

日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、2005年度から2010年度にかけ、大学・短大に在籍する学生数はほぼ横ばいですが、障碍学生数は約2倍、その在籍率については0.16%から0.32%へと倍増しています。

各大学での受け入れ体制の改善によるものという見方がある一方、18歳人口の減少によるいわゆる「大学全入時代」の到来によるものという見方も存在します。

欧米での障碍学生在籍率と比較すると、EUとは一桁、アメリカとは実に二桁もの差が開いています。

日本の調査では、「発達障碍学生」の実態がつかみ切れておらず、大学側に正式に支援を申し出ていないケースも推測されます。

しかしながら、欧米と比較すると明らかに取り組みが遅れていることは事実であり、今後の協議会発足、具体的な支援の広がりが期待されています。

法的に裏付けされた公式支援のための「制度設計」や実効性のための「財源」の確保、コーディネートやアセスメント、具体的支援に従事する人材の育成、支援技術や情報保障の確保など、今後解決すべき課題は山積しています。

今後、国や自治体とともに、ガイドラインの制定等、積極的な取り組みが行われていく『障碍学生支援』の動きに注目していきたいと思います。

※参考資料:
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
http://www.dinf.ne.jp

ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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