視覚障碍者用生活支援システム『オーデコ』

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視覚障碍者用生活支援システム『オーデコ』

 『オーデコ(AuxDeco)』は、東京大学とアイプラスプラス社が共同開発した、視覚障碍者のための歩行補助具です。

 『オーデコ』によって、遠くにあるもの、人や車などの連続する動き、地面に引かれた白線・横断歩道などを、おでこで感じることができます。

 白杖では捉えにくい情報を得ることで、より安全に、より楽しく歩行できると、多くの方に喜ばれています。

 オーデコをつけて街を歩く前に、世界初の発明であるオーデコの技術についてご紹介します。

 『オーデコ』は、額における感覚(触覚)を使って物を認識する、感覚代行技術を用いています。

Photo by myun2

 ヘッドバンドに内臓された小さなカメラが、装着者の眼前の視界をとりこみ、とりこまれた視界の画像が、電気刺激により触覚情報に変換されます。

 適切なトレーニングプログラムを受けることで、『オーデコ』は、視覚障碍者、特に、全盲の方にとって、外科的手術の必要のない視覚代行システムとなると期待されています。

 1960年代から、電気刺激による感覚代行は提案されてきましたが、額を刺激部位とする方式は大変新しく、合理的な手法です。

 着け外しが容易であり、脳内での座標系変換も、体の他の部位に装着する場合に比べて、はるかに簡単です。

 カメラで取得された画像情報は、2つの処理を経て触覚情報に変換されるのですが、最初の処理で輪郭情報を強調するための空間的な輪郭抽出を行い、次の処理で、時間変化する情報を強調するための時間的バンドバスフィルタリングを行います。

 これらは、実際の網膜でも行われている処理であり、『オーデコ』は、実際の視覚系の前処理を模倣することで、脳内での画像理解を容易にしているのです。

 『オーデコ』の特徴は、遠くにあるものがわかる、連続する動きがわかる、そして平面的な情報がわかる、などがあげられます。

 ●遠くにあるものがわかる
 
 『オーデコ』は、距離の制限がないので、周りの環境に合わせてカメラを向けることで、素手や白杖では届かない距離のものでも、方向や形を捉えることができます。

<モニターの方々の声>

・白杖より先に危険を予測でき、安心感が増す

・遠くにある物を「目印」にして、前進できる

・道端に停めてある自転車の存在と位置がわかる

・自分の立っている道の、伸びている方向がわかる

・方向を見失わない

・ドア枠や柱にぶつからずに通過できる

・目的物に真っ直ぐ手を差し伸べることができる

・落し物を探し、拾える

 ●連続する動きがわかる

 『オーデコ』は、人や車など動いているものを、連続した刺激で捉えることができるため、風や反響のために、音では距離や方向を捉えにくい環境での情報取得に役立ちます。

<モニターの方々の声>

・前を行く人を追って歩くことができる

・並んでいる人や立ち止まっている人を捉えられる

・信号待ちなどで、人のすぐ後ろで立ち止まれる

・エレベーターや電車の扉の開閉がわかる

・人の出入りの有無がわかる

 ●平面的な情報がわかる

 白杖での伝い歩きがしにくい場所(商店街や駅構内など)、直角に交わらず渡りにくい交差点などで、障碍物の有無や地面に引かれた白線、横断歩道などを捉えることができます。

<モニターの方々の声>

・横断歩道の白線を利用して、確実に道を横断できる

・壁や段差など(白杖でわかるもの)がなくても歩ける

・細い路地でも、道端の白線を辿って真っ直ぐ歩ける

 ●近くにあるものがわかる

 近くにあるものでも、触れないもの(危険物など)や触りたくないもの(汚れるものなど)を、素手や白杖を使わずに確認することができるのも、『オーデコ』の大きな特徴です。

<モニターの方々の声>

・公衆トイレで、便器の位置や形、ペーパーなどの配置を、素手で触れずに確認できる

・博物館などで、手で触れられない展示品でも、大きさや形を捉えて鑑賞できる

 『オーデコ』は指先の触覚を使って点字を読むのと同じように、額の触覚を使って目の前の情景を感じ取ります。

 「額の触覚で感じ取る」ことが、どういう感覚なのか、試してみてはいかがでしょうか。

※参考資料:
『オーデコ』
http://www.eyeplus2.com/product-2/about-auxdeco

ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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