朝起きることができない!『起立性調整障害』

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朝起きることができない!『起立性調整障害』

 

『起立性調整障害』をご存知ですか?

 

Photo by atkinson000

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『起立性調整障害』は、最近注目されている、子どもの疾患の一つです。思春期で最も起こりやすいもののひとつで、発症頻度は、約5~10%にも上ります。『起立性調整障害』の子どもは、朝起きが悪く、なかなか起きることができません。また、一日中ごろごろしていますが、夕方になると元気になり、逆に、夜には寝付くことができません。そのため、学校を欠席してしまったり、学校にいくのが億劫になり、引きこもりがちになってしまいます。

 

『起立性調整障害』の子どもたちに、小児科医が関心を寄せるようになったのは、1960年代のことだといわれています。しかし当時は、『起立性調整障害』の増加が問題とされながら、科学的な検査値として確かめる方法が不十分でした。

 

1990年代になると、起立直後の数秒間の血圧を測定する検査機器が開発されました。目まいや立ちくらみを起こしていることや、疲労感についての身体機能の異変を、客観的に評価することができるようになり、その結果、一人ひとりのお子さまに合った、診断と治療が可能となったのです。

 

<『起立性調整障害』の症状とは?>

  • 朝に起きられない
  • 立ちくらみ
  • 全身倦怠感
  • 食欲不振
  • 立っていると気分が悪くなる
  • 失神発作
  • 動悸
  • 頭痛
  • 夜になかなか寝つけない
  • イライラ感・集中力低下

 

また、専門家が小中学生にアンケートをとった結果、『起立性調整障害』の症状はとりわけ中学生に多いことがわかっています。具体的には、「朝起きがつらく、午前中調子が悪い」という質問に対して、「はい」、または「ときどき」と答えた子どもは、小学生で45%以上、中学生では60%前後もいました。「立ちくらみやめまい」があると答えた子どもは、小学生で約25%、中学生で約45%にも上ります。「立っていると気分が悪くなる」と答えた子どもは、小学3~4年生では約10%にすぎませんが、中学2年では約30%います。

 

『日本学校保健会』の『児童生徒の健康状態サーベイランス』の調査でも、中学生や高校生に多い結果となっています。しかし、『起立性調整障害』の症状は大人になると治ることが多く、軽い『起立性調整障害』は、思春期の発達段階に特有の生理的反応で、病的なものではないと考えられています。

 

『起立性調整障害』は、強い症状に対する不安や、周囲から「仮病扱いされること」への苛立ち、親子関係の葛藤、学校生活でのトラブル、学校不信といった、心理社会的背景を抱えています。

 

福祉関係者や医療関係者、両親は、子どもの心のうちを理解した上で、『起立性調整障害』がどのような病気なのかということを、メカニズムも含めて十分に説明する必要があります。検査結果の血圧記録を示しながら、子どもに説明すると、説得力があり、『起立性調整障害』の症状の原因を知ったことで、安心できます。子どもと医療関係者の信頼関係が出来ると、その後の治療が進みます。『起立性調整障害』の子どもは、放っておくと一日中、ごろごろして、テレビやゲームをしています。勉強の集中力はひどく低下するので、周囲の大人はどうしても怠け癖と見なしてしまいます。

 

世の中には、さまざまな障害があります。当事者も周囲も、その障害に対する理解を深めることは、治療をしていく中でとても重要なことです。根気よく治療して、改善したいですね。

 

※参考資料:

『起立性調整障害サポートグループ』

http://inphs-od.com/

『日本小児心身医学会』

http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm

ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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