負担の多い民生委員を支える世話焼きさん

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民生委員の役割

 “民生委員”という言葉を聞いたことはあっても、実際にどんなことをしているのか、その実態を理解している方は少ないはず。
民生委員とは、地域社会に根差した相談・サポート役を無償で行う役割があり、厚生労働大臣が都道府県知事からの推薦を受けて委託する職となります。無償ですが、活動に必要な電話代や交通費は支給され、非常勤特別職の地方公務員という扱いです。

民生委員のマークは「幸せのめばえを示す四つ葉のクローバー」

 以前は、高齢者や障害者への支援や生活保護など、大人を対象としてサポートするのが民生委員の役割でした。ところが、最近、児童虐待などの問題がクローズアップされたことで、民生委員のもうひとつの役割にスポットライトが当たるようになりました。
実は、民生委員は児童委員も兼任しているのです。そのため、地域の子どもの健全育成にかかわる行事や児童相談所との連携、虐待への対応など、さまざまな幅広い役割を担っています。

では、もう少し具体的に民生委員の活動を挙げてみましょう。

・介護や生活保護が必要な場合の行政機関への仲介
・災害時の高齢者や障害者の安否確認
・長寿祝い金の手渡し
・警察や消防署、学校への協力
・共同募金を集める
・地上デジタル放送の受信相談 など

 ただし、最近では「とりあえず困ったことがあれば民生委員に」という風潮が強く、中には独居世帯のゴミ出しや食事作りまでサポートするケースもあるといいます。本来メインとなる「地域住民と行政や専門機関との橋渡し」という役割以外のことが多くなりすぎ、民生委員への負担も年々増しているとのこと。

では、ひとりの民生委員が受け持つ世帯数はどのくらいあるのか?

 国の基準によれば、人口10万人以上の市で170~360世帯、10万人未満ですと120~280世帯、町が70~200世帯になっています。これって、ひとりの民生委員にかかる負担の重さを示しているデータそのものですよね・・・。

 最近は、「キャー」という叫び声が119番にあり、「事件では?」と救急隊員が慌ててかけつけてみると、「ゴキブリが出たからやっつけてほしい」などという人騒がせな電話も多くなっているといいます。

 それと同じことが、本来頼むべきでないことを民生委員の方たちに気軽に頼む人たちにもいえます。ところが、そんな負担の多い民生委員をサポートする取り組みも、全国的に広がりつつあります。それが地域の世話焼きさんの存在です。
読売新聞(2011/2/1)朝刊に、こんな記事が載っていました。

「09年から取り組んでいる北海道室蘭市の西部地区では、世話焼きさんの通報で、生活に困っている一人暮らしの知的障害者を見つけ出し、生活保護の受給に結びつけた。
 民生委員の信田有子さん(63)は、『隣近所のことは、世話焼きさんが最も知っている。民生委員が抱え込みがちだった独居高齢者の見守りなどを、任せることができるようになった』と評価する。
 同研究所(住民流福祉総合研究所)の木原所長は、『世話焼きさんに頑張ってもらうことで、民生委員は、地域全体を見渡す“司令塔”として活動できる』と強調している。」

 “簡単”“便利”なものに走り気味の現代人。何でもかんでも人頼みにせず、自分でやれることは自分でやる。でも「迷惑をかけたくないから」と、自分ひとりで問題を抱え込んで無理をし過ぎないことも大切。その辺のさじ加減が、民生委員の役割を最大限に活かす、利用者側の心得かもしれませんね。

川端真弓。フリーライター/薬膳アドバイザー。埼玉県所沢市在住。1986年に「無理なく無駄なく簡単エコロジー」を合言葉に、子育て中の主婦でも身近にできる環境問題を考えるサークルを発足。以来、無農薬栽培など風土に根差した生き方を模索中。現在は、写真と詞をコラボした新しい感覚のアート「PHOTOEMほちょう調」を広める活動にも携わっている。WEBサイトはこちら

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