「ラジオ」
東日本大震災の被災地の一つ、宮城県気仙沼市から詩をお届けしています。この詩が何かのお役に立ったなら幸いです。
震災により停電したとき、情報を得るのに役だったものはラジオでした。東日本大震災により、被災地では災害臨時放送局が作られました。震災から時間が経ち、その役割が少しずつ変わってきています。
「ラジオ」
見えぬあなたに話します。
見えぬあなたに伝えます。
今夜、華が咲くでしょう。
華を観て、
見えぬあなたは、
幼いあなたは言いました。
きっとじいちゃんも見ているよ。
今日もあなたに伝えたい。
マイクに向かって。
電波にのって。
藤村洋介
元役者。気仙沼市在住。
詩や短篇の物語を中心とした朗読文を創作。3.11東日本大震災の経験を受け創作活動を再開。現在、気仙沼の復興のために活動している。