腹話術ボランティア『佐々木政巳さん』
視力を失って・・・、腹話術で23年。
40歳の時に、原因不明の「視神経障害」で視力のほとんどを失った、佐々木政巳さん。
それまでは、電気工事会社を自ら経営するほど、闊達に人生を生きていらっしゃった・・・そんな中の突然のできごとでした。
「人の役に立つ仕事がしたい。人生の喜びや悲しみも伝えたい。」
独学で腹話術を学びはじめ、47歳から、精力的に全国の保育所や老人ホームで発動をはじめます。
「子どもに夢を、障害者に勇気を、お年寄りに生きがいを」
佐々木さんのモットーを、笑いと涙で表現した自作自演の演目は、どこにいっても大評判。
人気が人気を呼び、多くの場所から後援依頼が殺到しました。
それから、23年5か月。
舞台にたった回数は、なんと2,100回以上。
2012年2月、体力と相談し、最初の舞台となった保育園で、最後の講演を行い、腹話術師としての活動に区切りを付けられました。
「腹話術を通じて、多くの人に出会った。私自身が元気をもらい、力強く生きていくことの大切さを教わった。視力を失っていくときの不安を乗り越えた私を見て、何かを感じ取ってもらえれば・・・」。
最後の講演を終えた佐々木さんは、こう話されたそうです。
人生には、思いもよらないことが急に起こります。
そんなとき、自分に何ができるか、どうやって乗り越えていけるのか。
そんなときのために日々の精神の鍛練があり、まわりの人との人間関係があり、社会における自分自身のあり方が問われるのだと思います。
自らが、人生半ばにして視力を失うという衝撃にあいながら、相手を思いやり、社会に貢献できる道を模索した佐々木さん。
その姿に私たちは何を学び、実践していくのか・・・、問われているのだと感じます。
※参考資料:
読売新聞、福島民友など
http://www.minyu-net.com/news/topic/0215/topic5.html
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。