障害福祉サービス事業所職員の家具制作日記 in 京都

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 皆さんこんにちは。ひゅーまにあ広瀬川の大泉善嗣です。まだまだ寒い季節ですが風邪など引いていませんでしょうか?冬寒い地域といえば、やはり盆地ではないでしょうか。日本の数ある盆地の中でも、千年の歴史と伝統を誇る土地が京都なのです。

 その京都にある家具工房 pivoto (ピボット)ひゅーまにあ広瀬川のコラボレーションにより、新ブランド coyaa (こやあ) がスタートしました。優れたデザインの家具の制作工程を福祉施設の障がい者が担う、おそらく全国でも初めての試みです。

 家具工房 pivotoは、斬新なデザインで注目され、グッドデザイン賞受賞実績もあるGENETO建築設計事務所のグループです。今回、制作工程を習得するべく、pivotoの工房まで仙台から訪問したのでした。

京都の工房は遙か山の中に

 京都駅から地下鉄終点まで移動して、そこで車に乗り換えて工房に向かいました。郊外の住宅地を抜けて車はどんどん山間部に向かって行きます。いつしか車は峨々たる山並みの曲がりくねった細い道を辿っていました。道路の舗装も途切れています。

 工房は草深い林に囲まれており、とても静かで空気も綺麗です。工房の職人さんに聞いたところ、鹿やイノシシも時々現れるとのことでした。

いよいよ制作開始

 早速、工房の職人さんの指導のもと、家具制作開始です。私たち福祉施設が担当する制作工程は、ペーパーがけ・塗装・組立工程です。

 まずは、ペーパーがけ工程です。サンドペーパーを使って、面が滑らかになるように16個の部材全てを丁寧に磨いていきます。サンドペーパーの目が荒いものから細かいものまで、順に、数種類を使い分けて磨き上げていきます。ペーパーがけ工程は大変根気を要するのですが、仕上がりの品質に大きく影響します。職人さんも私たちも真剣になって取り組みました。

 その次の工程が塗装工程です。刷毛を使って、木彫オイルをまんべんなく塗っていきます。塗り方にムラがあると、乾いたときに綺麗に見えないので、慎重に均一に塗っていきます。刷毛を使った後は、ウェスと呼ばれる布で円を描くようにして、部材にオイルを摺り込んでいきます。すると、木目に深みがでて見違えるほどの仕上がりになります。オイルが乾燥するまで数時間かかりますので、初日の作業はここまでです。

 慣れない作業内容と慣れない姿勢と緊張とですっかりと疲れてしまい、宿ではぐっすりと眠ってしまいました。
 翌日は、乾燥した部材全てに軽くペーパーをかけて、二度目のオイル塗りをしました。乾燥させている間に、順次塗り進めていくという手順で、効率よく作業をして行きました。多くの部材を、時間を有効に利用して、丁寧に仕上げていく作業は、大変充実したものでした。メインの部材の切断面には、結局合計4回のオイル塗りをしました。切断面はオイルを塗るほどに、深みが出てきて味わいがあります。

 最後は、いよいよ組立工程です。設計図に従って、慎重に順序良く16個の部材を組み合わせていきます。驚いたことに、釘や接着剤を一切使用しないのです。障がいを持った方が組立工程を担当することができるように、設計段階から構想を練ったとのことでした。

 それぞれの部材には向きや表裏があるため、まるでパズルゲームのようでした。最後に、留め金の役割を果たす部材を差し込んですべての作業が完了です。この部材を差し込むときには、切り欠きをうまく利用する仕掛けになっています。この切欠きの部分の精密さが、日本、特に京都の伝統文化に相まったものであると感じました。

仙台に帰ってきて

 さて、仙台に戻ってきて落ち着いたところで、今回の京都訪問の意義を考えて見ました。障がいを持った方が、福祉施設で家具制作に携わることにどのような意味があるのでしょうか?答えを探るために、仙台圏の障がい者向けの求人状況を調査してみました。

 すると、事務系と室内外軽作業の割合が大変大きいことがわかりました。室内外の軽作業では、指示に従って正確に丁寧に業務を行うことが求められます。ひゅーまにあ広瀬川で家具制作を行うことによって、これらのスキルが大幅にアップするのは間違いありません。私たちと一緒に、楽しく家具制作に取り組み、就労へ向けた準備をしてみませんか?

<執筆者紹介>
大泉善嗣(おおいずみ よしつぐ):
平成15年3月東北大学大学院工学研究科電子工学専攻修了。博士(工学)の学位を取得。大手電機メーカー、大手電子部品メーカー2社にエンジニアとして勤務した後、平成21年12月から、障がい者福祉施設に勤務。仙台市青葉区出身、36歳。

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