平均時速30km超!『車いすマラソン』
マラソンブームは、まだまだ続いていますね。
幸せな人生を過ごすための基本は健康であることを強く意識し、基礎体力をつけるためにはじめられた方も多いと思います。
きっかけがそうであったとしても、走り切った後の爽快感や、徐々に鍛えられていく体力の向上。
身体の変化はもちろんのこと、精神的にもタフになり、仕事や生活なども、困難な状況や初めてのことにも果敢に挑戦する癖がつくことも大きなメリットだといえるでしょう。
そのため、国内のマラソン人口はどんどん増え始め、国や自治体でも、大きなマラソン大会をさかんに運営しています。
ウエアもカラフルでスタイリッシュ!
なんだか、『苦しい』『つらい』『疲れる』だけのマラソンのイメージが払しょくされた気がします。
とてもいいことですね!
同じように『車いすマラソン』も、全国で開催され、多くの方が参加されています。
1981年の国際障害者年を記念し、世界で初めての「車いすだけのマラソンの国際大会」としてスタートしたのが、『大分国際車いすマラソン』です。
◆『大分国際車いすマラソン』
http://www.kurumaisu-marathon.com/index.html
1981年以来、毎年開催され、世界最大、最高レベルの大会として、国内外から高い評価を受けています。
世界で初めて車いすランナーを受け入れたマラソン大会は、ボストンマラソンでした。100回を数える歴史ある大会(1996年時点)は、ストーク・マンデビル車椅子スポーツ連盟の公認は得ていません。しかし、全米脊髄損傷連盟ニューイングランド支部、ニューイングランドスポーツ協会の支持を得ており、さらに、全米車いすマラソン選手権のコースに指定されています。
1980年、初めて、健常者の記録を上回る、カート・ブリンクマンの1時間55分を記録しました(健常者の世界記録:2時間8分38秒)。
そんな中、1981年(昭和56年)大分県で行う、国際障害者年の記念行事を検討する中で、
<1>日本人に親しまれ
<2>障害者の逞しさが表現でき
<3>ふれあいと継続性のある
『世界初の車いす単独のマラソン』の開催を、大分中村病院院長、別府太陽の家理事長、中村裕博士が提唱。
コース決定には、大変な苦労がありましたが、沿道からの応援も多く、走りやすい素晴らしいコースとなっています。
大会の準備段階では、42.195kmを完走できるか疑問視され、ハーフマラソンを、1981年、参加15か国、117名で第1回大会をスタートしました。
大会は、タイムを競うレースであって、単なるレクリエーションではありません。
より速く走るため、車いすに使われているのは、カーボンやチタンなどが目立ちます。
究極に軽量化された『レーサー』と呼ばれる車いすを使用し、約10数人の集団を形成しながら、むかいくる風の抵抗を避けて疾走します。
自転車レースにも似ていますね。
驚くことに、トップ選手になると、平均時速30km超になるそうです。
フルコースである42.195kmを、約1時間20分台で駆け抜けていき、なんと、下り坂では時速50kmを超えるとも!すごいですね。
己の体力を鍛え抜き、仲間と連携を取りながらレース展開を考え、そして、時間との闘いを制したものだけが優勝という栄冠を手にする、素晴らしい大会です。
車いす大会は、他にも、大阪マラソンのように、一般ランナーと同じコースを車いすで走ることができる大会も開催されています。
ただし、一般ランナーとともに走る大会は、数えるほどしかありません。
それでも、大阪マラソンでは、車いす枠が50人に拡大されるなど、少しずつではありますが、確実に増えてきています。
※参考資料:
◆『大分国際車いすマラソン』
http://www.kurumaisu-marathon.com/index.html
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。