気持ちと体のために『リハビリ陶芸』
陶芸をやってみたいと思ったことはありませんか?
器にふさわしい粘度質の土をろくろにのせて、自分がつくりたいと思う形状に仕上げていく・・・。
作務衣などをお召になった、陶芸の名人が、軽やかにろくろを操りながら、素晴らしい作品を仕上げていく姿を目にすると、「ああ、自分もやってみたい!」そう思った人は少なくないのではないでしょうか。
しかし、実際やってみると、見ているときとは大違い。
土が想像以上に固く、なかなかいうとおりの形になってくれません。
自由自在にあやつれそうなろくろの、なんと難しいことか!
早さが速いと土の形ができず、かといって、遅い速度にすると、これまたどうにも具合が悪いものです。
そんなこんなで、最後はろくろから土をおろすように先生に言われ、細長いヒモのような粘土をつくり、積み重ねて壺を創るといったような始末。
ろくろを使った新進気鋭の作品ではなく、これって、縄文式土器と同じ作り方ではないか!?じっと自分の手をみてしまいますよね。
ただ、こうした陶芸の工程というのは、障害を抱える方にとって、非常に高価的なリハビリになるといわれています。
指、腕、肘を使い、つかむ、こねる、たたく、なでる、のばす・・・。
目的は、壺やお皿をつくることですが、その工程は実にさまざまなリハビリ運動の宝庫なのです。
『ものづくりの館 温々悠々(ぬくぬく ゆうゆう)』では、障害をお持ちの方が、機能回復のために学ばれるための『リハビリ陶芸教室』を運営しています。
◆『ものづくりの館 温々悠々(ぬくぬく ゆうゆう)』
http://www.ne.jp/asahi/kenbo/warmth/index.htm
リハビリをするぞ!と意気込むよりも、まずは「楽しむことを第一に!」というのが、『ものづくりの館 温々悠々(ぬくぬく ゆうゆう)』の考え方です。
そして、少し余裕がでてきたら・・・。
・障害をお持ちの方の陶芸と、そうでない方の陶芸の違いは何だろうか?
・障害をお持ちの方の陶芸に、限界をもうけてしまっているのではないか?
・何かの道具を用いるなど、工夫をすることで、より簡単にできる工程はないだろうか?
など、
障害をお持ちの方々と共に、障害をお持ちの方のための陶芸の未来を、一緒に考えていきたいと思われています。
『リハビリ陶芸』は、千葉県市原市にある、『姉崎保健福祉センター』内の『アネッサデイセンター』で、開催されています。
アネッサデイセンターでは、重症心身障害をお持ちの方や、身体に障害をお持ちの方、知的障害をお持ちのお子さまが、快適な日々を過ごすための事業を運営しています。
年齢や障害の種類は、人それぞれです。
地域社会の中で、「共に生きる」環境づくりを目指し、利用される方々の毎日をサポートされています。
通常の陶芸教室も、大人から子供まで、たくさんの人々が、とても楽しく陶芸を学んでいます。
まずは体験だけでもしてみたいという方は、『手びねり』や『電動ろくろ』『染付け』などの、陶芸体験ができます。
初心者から、プロを目指す方まで、目的に合わせて、さまざまな陶芸教室が開校されています。
また、陶芸教室で作られたものなどの販売もしています。
自分で作るのが苦手な方も、気に入った作品があれば、その場で購入してお気に入りを楽しむことができます。
使う器を変えてみるだけでも、気分が変わりますね。
つくるも良し、使うも良し、気軽に、陶芸をはじめてみませんか?
※参考資料:
『ものすくりの館 温々悠々』
〒290-0022 千葉県市原市浅井小向125
Tel:0436-36-7586 定休日:月・火曜日
※水~日曜日、9時~17時のフリータイムです。
事前に電話、e-mailなどでお申し込みください。
<定休日、夜間の問合先>Tel:0436-21-3495
※陶芸について、何でも、お気軽にお問い合わせください。
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。