色弱模擬フィルター『バリアントール』
『カラーユニバーサルデザイン』という言葉をご存知ですか?
色を正確に判読することができない、『色弱』の方の生活を、正常なものにするために、バリアをなくそうとする取り組みのことをいいます。
子供の頃に、学校の検査で色弱検査がありましたが、あの時は、絵本のような本を見て、数字や絵柄が判読できるかどうかといった検査だったのをおぼえていらっしゃるのではないかと思います。
色の感じ方が、一般の方とは異なる方の中で、最も多いのが、『色色弱』の方だといわれています。
『色色弱』とは、色覚異常、色盲、色弱、色覚障害、色覚特性ともいわれます。
こうした方々は、日本には約300万人以上がいらっしゃるとされています。
日本では、男性の約20人に1人、女性では、500人に1人の割合です。
色彩を感じる部分は、障害によって異なります。
多様な色覚をお持ちになる障害の方々に配慮して、多くの方々に、色に関する情報がうまく伝わるようにと作られたのが、『カラーユニバーサルデザイン』です。
『カラーユニバーサルデザイン』商品には、さまざまなアイテムがありますが、中でも最も多いのがメガネについてです。
例えば、色弱模擬フィルタ『バリアントール』というがあります。
◆『バリアントール』
http://www.variantor.com/
『バリアントール』は、色弱をお持ちの方が感じる色の見え方や、物の見分けにくさについて、一般の色覚者が体験をして知ることができる特殊フィルタのことです。
メガネタイプとルーペタイプの2種類から選ぶことができ、ルーペタイプについては、財団法人日本学校保健会の学校保健用品にも推薦されています。
このフィルタを貼ったメガネやルーペを使用することで、色弱をお持ちの方がどのように景色や物を見ているかが分かるため、その方々用の商品を開発するための研究に活かすことができます。
また、色弱をお持ちの方のための商品を開発するだけでなく、一般の方々が使うアイテムを開発する時に、このフィルタを使って開発することで、色弱をお持ちの方も、そうではない方も共用するものを産み出すことができます。
これこそ、『カラーバリアフリー』の考え方です。
障害をお持ちの方のための商品を創りだすだけではなく、障害に対する知識をより深めることで、障害をも乗り越える『バリアフリー』な世界が生み出せるのです。
そのためのフィルムとして、『バリアントール』は、日本はもちろん、全世界から注目されているアイテムといっても過言ではありません。
素晴らしい!『バリアントール』
さらなる活躍を期待したいですね。
※参考資料:『バリアントール』
http://www.variantor.com/
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。