ユニバーサルデザイン『さくら造り帯』
障害経験から生まれたユニバーサルデザイン『さくら造り帯』
着物を着る方が、増えてきたといわれています。
街中で、着物をお召になった男性や女性に合うと、非日常な空気を感じて、きりりとひきしまったような、逆に、ふわりと癒されるような、そんな気持ちになることがあります。
昔は、日本では多くの方が来ていた着物ですが、今では、七五三や成人式、結婚式などに着るくらいで、普段はなかなか着る機会はありませんね。
しかし、3年位前からでしょうか。
浴衣に挑戦する女性が増えてきました。
夏祭りや、花火大会で、多くの着物姿の女性を目にしますし、大手アパレルメーカーが、女性用の浴衣とともに、男性用の浴衣を発売すると、さらに多くの方が着物(浴衣)を着るようになりました。
暑くて、蒸し暑い日本の夏は、目で涼しさを感じる浴衣がぴったりですね。
しかし、着物にも、浴衣にも、『帯』があり、これがまた曲者です。
なかなか一人では着つけられなくて、着物を断念してしまうことも少なくありません。
また、障害をお持ちの方は、障害の具合によっても、着付けが難しいときがあります。
多くの方が、着物を簡単に着付けられるようにデザインされたのが、「さくら造り帯」です。
障害をお持ちの方のための着付け教室も開催し、「さくら造り帯」をつかった着付けのレクチャーも随時開催されています。
◆株式会社きものブレイン『さくら造り帯』
http://www.kimono-brain.com/biz_proces_special_sakuraobi.html
障害をお持ちで帯結びができない方も、簡易に帯結びができるようになります。
帯を折り紙のように折るようにしてたたみ、あらかじめ各種お好みの形にお太鼓を仕立てておきます。
帯を切ることはありませんので、自分で結べるようになったときや、他の結び方にしたいときは、簡単に元に戻すことができるのもうれしい特長です。
障害をお持ちの方も、簡単に結ぶことができる「さくら造り帯」を発案した鈴木富佐江さんは、ユニバーサルデザインに配慮した着付教室を全国で開催されています。
◆鈴木富佐江さん
http://www.u-x3.jp/modules/tinyd11/index.php?id=13
鈴木さん自身も、8年前に脳梗塞になり、手を自由に動かせなくなってしまいました。
好きだった着物を着たくても、帯を結んだり、襟を思うように整えたりすることが難しくなり、その都度、くやしい思いをされたそうです。
しかし「不自由は発明の母」。
障害を患ったことで、「自分でも着付けができる、誰にでも簡単に結べる帯が欲しい」と考えるようになり、さくら造り帯が誕生しました。
障害を持たれる方も、そうではない方も、多くの方の着物ライフをサポートする「さくら造り帯」は、まさに、鈴木さんの障害体験から生まれたものです。
美しい帯柄も揃っています。
着物に挑戦してみては、いかがでしょうか?
※参考文献:
◆株式会社きものブレイン『さくら造り帯』
http://www.kimono-brain.com/biz_proces_special_sakuraobi.html
◆鈴木富佐江さん
http://www.u-x3.jp/modules/tinyd11/index.php?id=13
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。