世界にたった1つ。『声に出せない あ・か・さ・た・な』

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世界にたった1つ!『声に出せない あ・か・さ・た・な』

世界にたった1つのコミュニケーション『声に出せない あ・か・さ・た・な』(生活書院)をご存じですか。

著者の天畠大輔さんは、ご自身の障害を乗り越えて、オリジナルのコミュニケーション方法を導き出し、自伝も含めた内容で出版されました。

天畠さんは、14歳で障害者となり、四肢麻痺、発語不能、嚥下障がい、視覚障害などの重複障害を抱え、24時間の見守り介助が必要になりました。

外界とのコミュニケーションを完全に閉ざされた天畠さんが、獲得した手段とは何だったのでしょうか。

絶望の淵にたった14歳の天畠さんのその日から、大学院生として学びの日々を過ごす、今の姿まで、本人曰く、メンドクサクもタノシイ日常を、工夫を凝らし明るく生き行く、『ダイスケの日々』が書かれています。

重度障害で発語できない天畠さんが、立命館大学大学院の先端総合学術研究科で修士に相当する2年間の課題を、終えられました。

身体をほとんど動かすことができず、文字を読む視力もない天畠さんは、インターネットを通じて授業に参加しました。

通訳者の協力で、1文字ずつ確定させていく、独自の「話法」を駆使し、自身のコミュニケーションをテーマにして、164ページ、16万字にものぼる、障害学の論文を書きあげたのです。

研究室の写真

Photo by neco

そもそも天畠さんは、通常に生活していました。

14歳の時に、一時的な糖尿病になり、診断と医療のミスで脳障害を負いました。

意識も聴覚も正常でしたが、意思表示は、「快」と「不快」の表情しかできず、医師からは、幼児段階まで知的レベルが低下したと告げられます。

しかし、母親の万貴子さんがそれを信じず、4か月後に、言いたい文字があればサインをおくって欲しいと渡した50音表に対して、1時間をかけて「へつた」(腹が減った)と伝えたのが、意志疎通の再開でした。(あかさたな話法)

その後、さまざまな改良を重ね、今では、通訳者が天畠さんの手や首に触れながら、50音を読み上げ、筋肉が動いたときの文字を拾い上げて、文章を創りあげています。

機器だけでの意思伝達は、意思に関係ない不随意運動も感知してしまうため、かえって時間がかかるため、人を介した通訳が、自分にはベストだと天畠さんはおっしゃいます。

現在、介護ヘルパーは、19人。

さまざまな方と、独自のコミュニケーション話法を駆使して、16万字を書き上げたのです。

生命力と集中力、そして、お母様の愛情に、言葉がありません。

障害をお持ちの方のための通訳者が社会的に認知され、制度保障の実現を向けて活動したいと、2012年4月から、日本学術振興会の特別研究員に採用され、博士課程で研究を続けられています。

自伝でより詳しく天畠さんを知り、その努力と、障害を持たれる方をサポートする通訳者の社会的認知について、学びたいですね。

天畠さんのお顔は、とっても明るいんです。

多くの方との、温かいコミュニケーションの賜物ですね。

※参考資料:読売新聞

※参考文献:『声に出せない あ・か・さ・た・な』(生活書院)(256頁)1,890円(税込)

http://www.seikatsushoin.com/bk/077%20akasatana.html

ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。

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