楽しくて、キレイ!『手話イラスト』
楽しくて、キレイ!『手話イラスト』
雑誌や本の挿絵として、さまざまなイラストが描かれています。
文字だけだと読みづらく、なかなか手が伸びない書籍でも、きれいなイラストが付けられていると、気分が安らいで、本を読み進めようという気になる方も少なくありません。
また、英語や中国語など、今まで話すことができなかった言語を学ぶためのテキストなどは、文字だけよりも、イラストを使ってよりわかりやすく表現されているときがあります。
言葉を使う時のシーンや、文字を書くときの状況などが、イラストで一目瞭然になると、言語を憶える理解速度が速まり、よりスムーズに習得できるからでしょう。
イラストには、大切な効果がありますね。
そこで、手話を学ぶときにも、さまざまなイラストが使われています。
手話の基本である、手や指の使い方はもちろんです。
それに加えて、手話を使うときの状況まで加えて、楽しいイラストとして表現しているのが、『手話イラスト』です。
◆『手話イラスト』
http://www.chibadeaf.or.jp/i002/summer/tuyu.html
イラストレーターのコボリタケオさんは、ご自身も聴覚に障害をお持ちの方で、実際にお使いになる手話をイラストの中の登場人物が使用するシーンを活かして、分かりやすく展開しています。
もちろん、イラストとしてもとてもステキで、見ているだけで、その場のシーンや流れる音などを感じます。
さまざまな種類のイラストがありますから、是非、楽しんで見てみてくださいね。
『千葉県聴覚障害者協会』では、聴覚に障害をお持ちの方のために、さまざまなサポート体制を組み、地域と連携した取り組みを行っています。
例えば、関連施設の紹介をはじめ、介護の依頼、通訳の依頼、学びの場所の提案、相談ごとの受付を行っています。
聴覚に障害をお持ちの方が本を購入したいときや、映像をご覧になりたいとき(自宅のパソコン含め)、ビデオを借りたいときなどの窓口も設けています。
◆『千葉県聴覚障害者協会』
また、聴覚に障害をお持ちの方のためのボランティアがしたいという方のための受け入れも行っています。
例えば、『手話通訳者』という資格があります。
『手話通訳者』は、手話言語を用いる聴覚に障害をお持ちの方と、聞こえる方との情報コミュニケーションを円滑に行い、聴覚に障害をお持ちの方が、社会参加できる権利を保障するために、支援する専門職です。
「知る権利」・「聞く権利」・「発言する権利」と踏まえ、情報コミュニケーションを保障するために、『手話通訳者』養成において、所定のカリキュラムを修了し、『手話通訳者全国統一試験』や『手話通訳士試験』などに合格し、地域に登録をして活動しています。
『手話通訳者』は、手話技術・通訳技術・専門知識に加えて、それぞれの個人的な内容をサポートしますので、弁護士などに課されているような、守秘義務などの高い倫理が必要となります。
さまざまな研修を重ねて、スキル向上のための努力が必要とされる資格です。
その他には、聴覚に障害をお持ちの方をサポートするために、『要約筆記』のサポートがあります。
『要約筆記』とは、聴覚に障害をお持ちの方が、コミュニケーションするために必要な音声情報などを、手書きやパソコン入力による文字情報で伝えるものです。
聞きながら書いていったり、あるいは、パソコンで入力するためには、さまざまな習練が必要になります。
話し言葉を文字情報にするためには、余計な部分を取ったり、主述を整えたりする作業が不可欠です。
『同音異義語』や『漢字と仮名の配分比率』、『文字の大きさ』、『読みやすい速度』など、情報を受け取る人への配慮も欠かせません。
『音声情報』を『文字情報に変換』していくときに、留意すべき諸知識も、身につける必要があります。
『要約筆記』は、ろう者、難聴者、中途失聴者と、さまざまな方が利用されています。
聞こえの状態は百人百様ですので、『要約筆記』は、こうした幅広い人々への理解も欠かせません。
『要約筆記』は、『聴覚のしくみ』や『補聴援助機器の基礎知識』、『福祉制度』、『聴覚に障害をお持ちの方の要約筆記の活動史』、『支援者としての倫理や自覚』など、幅広い学習が必要です。
多くのスキルをベースにしたサポートを受けながら、楽しいイラストで手話を学ぶ・・・。
さまざまなシーンで、福祉への取り組みが行われています。
※参考資料:
◆『手話イラスト』
http://www.chibadeaf.or.jp/i002/summer/tuyu.html
◆『千葉県聴覚障害者協会』
ライター:野間能子 医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。