目を向けよう!『心のバリアフリー』
目を向けよう!『心のバリアフリー』
バリアフリーと聞くと、車いすが通行しやすい道路整備や、階段脇のエレベーターの設置など、ともするとハード部分の施策について考えがちです。
しかし、バリアフリーの示す内容には、ハード部分以外となる、ソフト部分も同じく設置されてこそ、真のバリアフリーとなることを定義づけられています。
ソフトのバリアフリーのことは、『心のバリアフリー』ともいわれています。
国民の誰もが、障害をお持ちの方やご高齢者等の自立した日常生活や、社会生活を確保することの重要性について理解を深めています。
自然に支え合うことができるようにするため、幅広い国民参加による各種の啓発・広報活動、及び、児童生徒や社会人などを対象に、様々な機会を活用した幅広い教育活動の推進が行われています。
理解を深めるための啓発・広報活動の推進には、さまざまな取り組みがあります。
誰もが、国や地方自治体等の関連情報にアクセスし、必要な情報をいつでも取り出すことができるよう、情報提供の充実が行われています。
バリアフリーやユニバーサルデザインの推進に関する功績のあった者に対して、表彰などを行い、優れた取組の普及・啓発の促進を行っています。
障害をお持ちの方が利用する器具や、補助犬に加えて、各種障害を対象としたマーク・高齢運転者標識・マタニティマークなどの普及を推進しています。
その活動を通じて、障害をお持ちの方、ご高齢者、妊婦や子ども連れの人等の抱える困難や、そのニーズの理解の促進に努めています。
障害者権利条約の締結に向けた、国民の正しい理解を深めるための啓発・広報活動の実施に取り組んでいます。
さらに、心のバリアフリーを、実際の行動につなげるための支援となる幅広い教育活動の推進も行っています。
支援を必要とする方を、実際に手助けすることを、誰もができるようにするため、その方法等を解説した「一般国民向けのマニュアル」の作成・普及に取り組んでいます。
児童生徒と、障害をお持ちの方、ご高齢者や幼児等との交流の促進を行っています。
その際には、車いす、アイマスクを用いた、体験活動などを、各小学校や中学校、高等学校における教育活動の推進の一環に取り入れています。
実際に、公共交通機関などを活用しながら、障害をお持ちの方や、ご高齢者等の移動の困難さを擬似体験しています。
また、その際に、障害をお持ちの方や、ご高齢者等のサポートの方法などについて学ぶ「バリアフリー教室」を開催しています。
障害をお持ちの方や、ご高齢者、子ども連れの方の移動や、切符購入のサポートなどを行うボランティア活動に対する取組の支援を行っています。
また、マニュアルや教育プログラムの普及・啓発等を通じて、行政機関や企業等の職員が、様々な人の多様なニーズに対応した、きめ細やかな配慮と応対をできるように、取組を推進しています。
教育現場で、交通機関で、地方自治体の対応の場で、現地での実際の訓練を通じて、机上の空論で終わらない本当の意味でのバリアフリーを目指して・・・。
『心のバリアフリー』の広まりが、社会全体のしくみを変える大きな流れとなるように、今日もどこかで、さまざまな取り組みが行われています。
私たちも、是非、参加してみたいですね。
※参考資料:
『心のバリアフリー』
http://www.cao.go.jp
ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。