コミュニケーションをサポート!『言語聴覚士』
コミュニケーションをサポート!『言語聴覚士』
話す、聞く、表現する、食べるといった、誰でもごく自然に行っていることが、病気や事故、加齢などで不自由になることがあります。また、生まれつきの障害でお困りの方もいます。『言語聴覚士』は、こうしたことばによるコミュニケーションや嚥下に問題がある方々の社会復帰をお手伝いし、自分らしい生活ができるよう支援しています。医療分野はもちろん、教育、福祉の分野にも活動の場が広がりつつあります。
脳卒中後の言語障害(失語症、構音障害)や、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など、ことばによるコミュニケーションの問題はたくさんあります。『言語聴覚士』は、検査・評価をおこなうことで、こうした問題の本質や発現メカニズムを明らかにして、対処法を見出します。また、必要に応じて訓練や指導、助言、援助を行う専門職であり、専門資格として位置づけられています。医師や歯科医師の指示のもと、嚥下訓練や人工内耳の調整などといった、専門的な技術の提供も行う資格です。

Photo by www.ilmicrofono.it
『言語聴覚士』は、リハビリテーション医療において、医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などといった、医療専門職の方々をはじめ、ケースワーカー・介護福祉士・介護援助専門員などといった、保健・福祉専門職に関わる方々との連携した仕事をしています。
また、教育、心理専門職などの方々とは、チームの一員として教育指導も行っています。このように、『言語聴覚士』は、医療機関だけでなく、保健・福祉機関、教育機関など幅広い領域で活躍する福祉資格です。ことばや聴こえに問題をもつ方と、そのご家族を支援して、豊かな未来をいっしょに築いていく資格です。
<『言語聴覚士』がサポートすること>
(1)「聞こえ」の障害に対して
「聞こえ」障害とは、具体的には「伝音性難聴」や「感音性難聴」などを指します。聞こえの障害(聴覚障害)のある方を相手に、検査や訓練、補聴器のフィッティングなどを行います。
(2)「話すこと」の障害に対して
「話すこと」の障害とは、具体的には「構音障害」や「吃音(きつおん)」などを指します。
声帯や舌、唇などを使って話す動作を「構音」といいます。『言語聴覚士』による評価・訓練の対象となります。
(3)「食べること」の障害に対して
「食べること」の障害とは、具体的には「摂食・嚥下(えんげ=飲み込むこと)障害」などを指します。 「咀嚼して、飲み込む」ために必要な器官の運動訓練や、飲み込む反射を高めるための訓練を行います。
(4)「ことばの遅れ」に対して
「ことばの遅れ」とは、具体的には、子どもの発達障害などを指します。
(5)「成人の言語障害」に対して
「成人の言語障害」とは、具体的には「失語症」や「記憶障害」、「認知症」などを指します。
生きるために必要なサポートを行う『言語聴覚士』が活躍する場面は今後もひろがっていくでしょう。今後も注目していきたい、福祉資格のひとつですね。
※参考資料:
『言語聴覚士』
ライター:野間能子 ノーマ・プランニング。医療・スポーツ・美容・飲食など、ライフスタイル全般のプランニング、編集・執筆、商品企画などを行う。
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