1日1問福祉力UP! 第21回「コミュニケーション力」-発達障害
日本福祉力検定協会では「福祉力向上キャンペーン」として、生活に役立つ福祉力検定2級と3級の過去問を厳選して出題いたします。
第21回は福祉力検定3級「コミュニケーション力」から発達障害に関する事例問題です。これまで「毎日1問福祉力UP!」では発達障害について何度か取り上げてきましたが(第19回「障害の理解」-発達障害、第6回「障害の理解」-ADHD)自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、学習障害など診断名は様々であり、さらにその人の人柄や環境によっても症状は全く異なります。まずは一人ひとりとしっかり向き合い、理解することが大切です。
今日の1問(福祉力検定3級「コミュニケーション力」より)
次の事例を読み、後の設問に答えなさい。
広汎性発達障害の男児A(5歳)は、おもちゃでの遊びやごっこ遊び等の想像遊びが苦手である。車のおもちゃを渡しても並べるだけで、走らせて遊ぶことはしない。幼稚園で泥の団子屋さん遊びをしても「泥のお団子なんか食べられない」と言って、皆と一緒に遊ぶことができない。
男児Aに想像あそびを導入する方法として、誤っているものを1つ選びなさい。
【選択肢】
- 男児Aに車のおもちゃを渡す際に、「この車を走らせて、みんなと一緒に遊ぼうよ」と声掛けをする。
- 男児Aと一緒に車のおもちゃを手に持って「これから車に乗って買い物にいこう!ぶーん!」等と、状況を描写しながら一緒に遊ぶようにする。
- 「泥団子は食べられないよね。だから、おだんごのつもりでまねっこしよう。まねっこだから大丈夫」と、あくまでもごっこ遊びであることを言葉で説明する。
- 団子屋さんの客や店員のふりをしてあげて表情やジェスチャーを男児Aに見せながら一緒に遊ぶ。
正解と解説はこのページの一番下にあります。
【解説】
- 誤っている。
広汎性発達障害の子どもは、想像力の障害があるため、周りがなぜ楽しめているのか、どのような状況を楽しんでいるのかを理解できない場合がある。選択肢2のような形で、一緒に楽しめるように大人がリードしてあげることが大切である。また、自閉症の子どもは視覚的にそれが何であるかを捉えることができても、どのような遊び方をするかをイメージすることができないため、おもちゃとして関心を持たないこともある。遊び方のモデルを示しながら、言葉でも説明することで遊びの幅を広げることができる。 - 正しい。
大人が一緒に遊んでモデルとなり、表情や身振り手振りで遊び方を教えることが大切である。 - 正しい。
言葉を字義どおりに解釈して、本当に泥団子を食べなければいけないと思っている可能性もある。「ふり」であることを説明することで、理解できる場合もある。 - 正しい。
社会性の障害があるため、状況に合わせてどんな表情や身振りをすればよいか分からず、意思表示ができない子どももいる。場にあった表情やジェスチャーを見せて練習することで、遊びが楽しめるようになる。
【正答番号】 1
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