集団の中における分離と統合とは

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デンマーク福祉社会とバンク‐ミケルセンの思想と実践 第10回

デンマーク連載24回シリーズ ノーマライゼーションの3要素に加えて、バンク‐ミケルセンは分離と統合の問題についても焦点を当てて論じています。ノーマライゼーションの原理は、障害者の生活が地域社会からの隔離ではなく、地域社会との統合をめざすものでなければならず、地域社会と統合した生活場所では、前述した住居・仕事・余暇の3要素が満たされている必要があるとしました。

CB068300平等

統合と分離は、人間は全て平等という考えに基づいた実践方法です

また、バンク‐ミケルセンは以下のように述べています。

「ノーマリゼーションは統合と分離の問題と混同されることが多い。強調しておかなければならないがノーマリゼーションは目的であり、統合と分離は単なる目的達成のための実践方法にすぎないのです。実践方法とは、目標に到達するためにはそれぞれの状況において最も適したやり方はなにか、あるいは最も効果的なやり方はなにかの評定にしたがって、選択される手段なのです。」

「住居、労働、教育などにおける統合と、個人あるいは集団に対する統合とは区別されなければならない。重度のおくれを持つ人々の問題を知っている人なら誰でも、統合が目的でもなく、また単なる手段でもないということに同意するだろう。しかし、誰でもノーマリゼーションが重度のおくれをもつ市民にも役立たなければならないということに同意している。」

バンク‐ミケルセンは、統合と分離は、人間は全て平等という考えに基づいた実践方法だということを以下のように強調しています。

「精神遅滞の人々は、他のすべての市民とも同様に、権利と義務をもっていなければならない普通の人間なのですということです。したがってノーマリゼーションは保護の理論にも過保護の理論にも反対する。ノーマリゼーションは平等(equality)という観点によって効果のあるものとなる。ノーマリゼーションはすべての人々のための、すべての市民的・人間的権利をめざす戦いのひとつなのです。」


N.E. バンク-ミケルセン、中園康夫訳、前掲「精神遅滞者のための居住施設サービスの形態の変化」pp.172

佐藤豊:NPO法人や社会福祉法人で知的障害者授産施設の経営、ヘルパーの養成に長年携わるなど福祉事業をライフワークとして取り組んでいる。早稲田大学政治経済学術院公共経営研究科修士課程修了。岩手県一関市出身。

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